離婚時の財産分与と不動産売却の関係とは?
2024.04.30
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厚生労働省が発表している「令和4年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、婚姻件数が約50.5万組に対し、離婚件数が約17.9万組でした。
これは婚姻した夫婦の3組に1組が離婚している計算です。
離婚によって財産分与し、不動産売却するケースは少なくありませんが、ポイントを押さえなければ大きなトラブルになることもあります。
本記事では離婚による財産分与における不動産売却について以下の内容を解説しています。
- 財産分与と不動産売却
- 財産分与による不動産売却では住宅ローンの残債が重要!
- 売却せずに住み続けるケースは要注意!
離婚によりマイホームを売却することが想定されるのならば、滞りなく売却できるように必要な知識を身に着けましょう。
財産分与と不動産売却
財産分与と不動産売却は密接に関わっています。
しかしながら、どのような状況でも不動産売却して得た資金が財産分与の対象になるわけではありません。
「財産分与とは?」「不動産売却が財産分与の対象外になるケース」「財産分与で不動産売却する適切なタイミング」の3点について解説します。
そもそも財産分与とは?
財産分与とは夫婦が婚姻期間中に形成した資産を公平に分配することです。
夫婦それぞれの働き方による影響はなく、共働きでも専業主婦(主夫)だとしても同様です。
財産の名義がどちらになっていたとしても、夫婦の協力によって形成されたものであれば財産分与の対象です。
たとえば、夫名義でマイホームを購入し、妻の持分がなかったとしても財産分与の対象になります。
そして、財産分与によってマイホームを売却する際には以下の計算をします。
財産分与対象の金額=売却価格-住宅ローン残債額-諸経費・税金
財産分与の対象外になる不動産売却のケース
不動産売却で得た資金すべてが財産分与の対象にはなりません。
以下のケースではその金額分、または不動産そのものを財産分与の対象から除外しなければなりません。
- 一方の親から資金援助を受けた場合は、その金額分
- 相続した土地に建物を建築した場合の土地価格分
- 婚姻前に貯蓄していた資金を頭金などに充当した場合の金額
- 婚姻前に取得した不動産
- ローンの残債より売却価格が低い場合の不動産
財産分与の基本的な考え方は「夫婦が婚姻期間中に形成した資産」なので、それ以外のものを除外して検討すれば問題ありません。
財産分与で不動産売却するタイミングは?
財産分与で不動産売却では、売却のタイミングにも注意が必要です。
夫婦の話し合いで離婚が決定し、正式に離婚が成立する前に不動産売却、財産分与してしまうと贈与になってしまうこともあるのです。
不動産売却自体は時間にゆとりを持って進めたほうが良いですが、財産分与は離婚が成立したあとに手続きを進めましょう。
財産分与による不動産売却では住宅ローンの残債が重要!
財産分与による不動産売却では住宅ローンの残債が重要で、先述したとおり残債額次第で財産分与の対象になるかどうかが変わります。
また、残債額によっては、そもそも不動産自体売却できないケースも発生しかねません。
財産分与と住宅ローンの残債の関係について解説します。
ローンの残債額に注意しよう!
先述した通り、ローンの残債より売却価格が低い場合は財産分与の対象になりません。
「売却価格 > 残債」の場合は財産分与の対象になり、「残債 > 売却価格」の場合は財産分与できないのです。
そもそも、後者の場合では自己資金を充当し、住宅ローンを完済することが売却の条件となります。
残債額が大きいと売却そのものができないことも
住宅ローンの残債額が大きく、不動産売却価格と自己資金で完済できなければ、売却そのものができなくなります。
一般的に不動産売却では住宅ローンが残っている状態で引き渡せないためです。
さもなければ住宅ローンの残債を残したまま売却する任意売却や強制競売などの方法もありますが、個人信用情報に記録がつき、いわゆるブラックリストに掲載されてしまいます。
そのうえで残った残債の返済は続きます。
リスクもある売却方法なので安易におすすめできるものではありません。
売却するために自己資金を貯める、残債が減るまで所有し続けるなど時間をかけて売却を目指すことになるでしょう。
しかし、売却せずに所有することに対してもリスクが存在します。
売却せずに住み続けるケースは要注意!
離婚して財産分与のために不動産売却しようとしても、残債が大きく売却できないために住宅ローンを支払いつつ、夫婦のいずれかが住み続けるケースがあります。
その場合では誰が支払い、誰が居住するのかが重要なポイントで、注意しなければなりません。
住宅ローンの名義人が居住する場合
住宅ローンの名義人が居住する場合では、住宅ローンの支払いさえできれば大きなトラブルには進展しづらいでしょう。
ただし、連帯保証になっている場合は注意が必要です。
万が一、住宅ローンの支払いが滞ってしまうと、その住宅ローンは連帯保証人が支払わなければなりません。
連帯保証人が住宅ローンを支払えなければ個人信用情報に滞納情報が記録されてしまいます。
離婚しただけでは連帯保証人から外れられないことに注意しましょう。
住宅ローンの非名義人が居住する場合
住宅ローンの非名義人が居住することのリスクは、住宅ローンの名義人に生活の基盤を支えてもらう状況になることです。
たとえば夫が住宅ローンを支払い、妻が住み続ける場合、夫の住宅ローンの返済が滞れば妻が家から追い出されてしまう可能性があります。
また、住宅ローンの名義人が居住していない事実が金融機関に伝わってしまうこともリスクです。
住宅ローン契約の契約違反として一括返済を求められてしまうこともあるでしょう。
ペアローンを利用している場合
ペアローンを利用している場合では、ローンの借換えや名義変更などの対策しなければなりません。
住宅ローンの名義人が居住していないことになるので、住宅ローンの契約違反として扱われてしまう可能性があります。
対策としては金融機関と交渉して単独名義に変更することが挙げられますが、現実的には認められていません。
住宅ローンの非名義人が居住する場合もそうですが、自分で支払いしていない不動産に居住し続けることにはリスクが付きまといます。
すぐではなくても将来的な売却を視野に入れることも必要です。
まとめ
離婚時の財産分与でマイホームを売却する場合には購入時の資金の流れや、住宅ローンの残債を把握し、しっかりと計画を立てましょう。
住宅ローンの残債によっては売却しない、できないこともありますが、住宅ローンの非名義人が居住し続けることにはリスクが伴います。
売却する方法の模索や、将来的な売却計画も含めて検討することをおすすめします。
離婚時の不動産売却は自己判断が難しいので、弊社までお気軽にご相談頂ければ、状況に応じたアドバイスをさせていただきます。
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