ペアローンの不動産売却の流れとは?3つの注意点も解説!
2024.04.29
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住宅ローンを組むための方法として、同一住居に居住する親子や夫婦などの親族がそれぞれ債務者になる「ペアローン」というものがあります。
不動産購入では2人でローンを組むことによって借入可能額を増やせるメリットがありますが、売却の際にはペアローンがどのような影響を及ぼすのでしょうか。
本記事ではペアローン不動産の売却について以下の3点を解説しています。
- そもそもペアローンとは?
- 不動産売却の流れ
- ペアローン不動産売却3つの注意点
ペアローン不動産の売却方法や流れを把握し、しっかりと対策して売却に臨みましょう。
そもそもペアローンとは?
ペアローンとは同居の親族がそれぞれ債務者になって住宅ローンを組む方法です。
特に夫婦で不動産購入する際に利用されることが多く、以下の特徴があります。
- 夫婦でそれぞれ住宅ローンを組む
- 夫婦それぞれが、お互いの連帯保証人になる
- 住宅ローンの額に応じて不動産の持分割合が設定される
似たような住宅ローンの組み方に収入合算があります。
収入合算は夫婦の収入をひとまとめにし、2人で1件の住宅ローンを借り入れます。
一方でペアローンはそれぞれが1件ずつの住宅ローンを借り入れるため、夫婦でペアローンを組む場合には2件の住宅ローンを組むことになるのです。
そして、それぞれの借入額に応じて不動産の持分割合が設定されることが一般的です。
また、ペアローンはお互いが連帯保証人になることも特徴です。
夫婦でペアローンを組み、いずれか一方が住宅ローンを支払えなくなった場合、もう一方が住宅ローンを支払う必要があります。
ペアローン不動産を売却する流れ
ペアローンを組んで購入した不動産を売却する場合、売却の流れは一般的な不動産売却と変わりません。
- 査定依頼
- 不動産会社と媒介契約(販売活動依頼)
- 販売活動
- 売買契約
- 引き渡し
一般的な不動産売却と異なる点は、ペアローンでは所有者が複数いることです。
どちらか一方の手続きだけでは契約が成立しないため、夫婦で一緒に手続きを進めなければなりません。
また、一般的な不動産売却でも同様ですが、ペアローンの不動産売却では残債額によって売却価格を含めた売却計画を入念に検討しなければなりません。
残債額に対して売却価格が高い「アンダーローン」の場合と、その逆の「オーバーローン」の場合で売却の流れが異なります。
アンダーローンの場合
売却価格が残債額より大きいアンダーローンの場合、大きな問題は発生しないでしょう。
売却で得た資金で住宅ローンを完済し、余った資金は持分割合に応じて分配します。
また、買い替えを検討しているのならば売却と新居の購入を同時に進めることができ、「売り先行」「買い先行」と新居を決めるタイミングも選択できます。
資金的な余裕があれば値引き交渉にも応じられるので、ゆとりをもった売却計画を立てることが可能です。
オーバーローンの場合
残債額が売却価格より大きいオーバーローンの場合は、販売計画を入念に検討しなければなりません。
不動産売却するためには住宅ローンの残債を完済し、不動産に付いている「抵当権」を抹消しなければならないからです。
オーバーローン状態でも不動産売却するならば、売却価格では足りない残債分を自己資金で補填して完済する必要があります。
自己資金が足りなければ以下の対策を検討します。
- 売却価格を上げる
- アンダーローンにするために住宅ローンの返済を進める
- 自己資金を工面する
売却価格を上げれば住宅ローンを完済できるかもしれませんが、不動産には現実的ではないでしょう。
住宅ローンの返済や自己資金の用意については時間がかかることも懸念され、早期売却の希望には適していません。
その他に融資を受けることもできますが、住宅ローンの残債があるので十分な融資を受けることは難しいかもしれません。
いずれにせよ、オーバーローンの状態での不動産売却は難しいものになります。
ペアローン不動産売却3つの注意点
ペアローン不動産を売却するためには以下の3つの注意点を把握しなければなりません。
- 所有者全員の同意
- 手続きの負担増や諸費用の増加
- 残債額の確認
状況によって特に意識する注意点が異なりますので、しっかりと確認しておきましょう。
注意点その1「ペアローンを組んだ人全員の同意が必要」
不動産売却では所有者全員の同意が必要です。
夫婦でペアローンを組んでいる場合、いずれか一方の同意では売却できません。
特に問題となるケースは不動産の売却について、意見が分かれている場合でしょう。
たとえば離婚によって別居になり、夫婦のいずれかが居住を希望している場合、住宅ローンの名義と居住者が異なってしまいます。
原則として住宅ローンは名義と居住者が同一であることが求められるため、整理する必要があります。
しかし、完済や繰り上げ返済しなければ、ペアローンの債務者を1人にすることを金融機関が認めないケースは少なくありません。
ペアローンで購入した不動産では売却するか、夫婦で住み続けて返済を続けるかの選択になってしまうことを心得ましょう。
注意点その2「住宅ローン返済の手続きや手数料が増える」
ペアローンでは不動産売却でかかる以下の諸費用が増えてしまいます。
抵当権抹消費用 | 1件あたり1.5万円~2万円程度 |
住宅ローンの返済手数料 | 1件あたり0円~5.5万円程度 |
ペアローンでは債務者それぞれの抵当権が設定されているため、抵当権抹消登記に必要な登録免許税と、司法書士への依頼費用が債務者の数だけ増加します。
また、住宅ローンの返済手数料も同様です。
金融機関や不動産会社に確認し、事前に必要な費用を確認しておきましょう。
注意点その3「残債額」
先述したとおり、売却価格に対する残債額がアンダーローンなのか、オーバーローンなのかによって売却の流れが変わってしまいます。
時間にゆとりがある場合やアンダーローンの場合では大きな問題になりませんが、離婚が原因での不動産売却では、早期売却を希望する人は少なくありません。
しかしながら、オーバーローン状態だと早期売却が難しくなります。
残債額や自己資金を冷静に判断し、今後の計画を検討する必要があります。
まとめ
ペアローンの不動産は親族それぞれがひとつの不動産購入に対して住宅ローンを組む方法です。
売却するためには注意点を把握し、特に残債を確認したうえでアンダーローンなのか、オーバーローンなのかを判断しなければなりません。
そして、売却の段取り・資金計画をしっかりと組み立てることが大切です。
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