不動産売却で売り出し価格が決まる査定とは?価格相場の調べ方も解説
2024.03.22
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不動産を売却するとき、売り出し価格はどのように決定するのでしょうか。
基本的には、取引のプロである不動産会社へ価格査定を依頼して決めますが、自分で取引相場を調べることも大切です。
そこで今回は、価格相場の調べ方や査定の種類について解説します。
不動産売却で査定前に相場を調べる方法
不動産売却にあたり売り出し価格を決める際は、周辺の取引相場がどうなっているのかを把握する必要があります。
適切な値付けで売り出せば、短期間で不動産売却が完了する可能性も高まるでしょう。
そこで、相場の主な調べ方をご紹介します。
不動産ポータルサイトで検索する
不動産ポータルサイトでは、現在売り出し中の物件価格を調べられます。
エリアや築年数、間取りなどの条件を入力すれば、類似物件の売り出し価格が簡単にわかるのが特徴です。
注意点
不動産ポータルサイトに掲載されている価格は、あくまでも売り出し価格にすぎません。
値下げ交渉を見込んだ価格設定にしている場合もあり、実際の成約価格は8割~9割ほどを目安として考えておきましょう。
レインズ・マーケット・インフォメーションで検索する
レインズ・マーケット・インフォメーションとは、不動産流通機構が運営している不動産取引情報提供サイトのことです。
基本的に、レインズの掲載情報を閲覧できるのは不動産会社のみです。
レインズには詳細な不動産情報が掲載されているので、一般人は閲覧できません。
しかし、レインズ・マーケット・インフォメーションには、不動産会社だけが閲覧できるレインズの情報を基に、実際におこなわれた取引情報が掲載されています。
大まかな情報ではあるものの、取引相場は検索可能です。
注意点
レインズ・マーケット・インフォメーションで検索できるのは、実際に成立した取引のみです。
そのため、不動産売買があまりおこなわれていないエリアでは情報量が少ない可能性があります。
しかし、取引が活発におこなわれているエリアなら、間取りや沿線、最寄り駅など詳細に条件を指定できるので相場価格を把握しやすいでしょう。
また、掲載されているのはマンションと一戸建ての取引価格です。
土地の相場を知りたいときには、次にご紹介する土地総合情報システムを利用しましょう。
土地総合情報システムで検索する
土地総合情報システムとは、国土交通省が運営している情報サイトのことです。
不動産取引をおこなった方を対象にアンケート調査を実施し、その結果を公表しています。
土地総合情報システムでは土地の取引価格も検索できるので、農地や林地の相場も検索可能です。
マンションや一戸建ての相場を知りたいときは、レインズ・マーケット・インフォメーションと併用すると良いでしょう。
注意点
一戸建ての取引価格は、土地部分と建物部分で構成されています。
しかし、土地総合情報システムでは「土地と建物」の総額しかわかりません。
仮に総額が高い取引があったとしても、土地が高いのか建物が高いのか判断できないのでご注意ください。
地価情報から調べる
土地の不動産売却では、地価情報から相場を知ることも可能です。
土地には、5種類の価格があります。
公示地価
1月1日時点における標準地の価格のことです。
国土交通省の土地鑑定委員会が決定し、3月頃に公表されます。
基準標準価格
7月1日時点における標準価格のことです。
各都道府県が9月頃に発表し、土地取引の指標となっています。
相続税路面価
相続税の基準になる評価額で、国税庁が定めています。
公示価格の約80%が目安で、土地が面している路線ごとに定められています。
固定資産税評価額
固定資産税の基準になる評価額で、市区町村が定めています。
3年に1度改定され、公示価格の約70%が目安です。
実勢価格(時価)
実際に取引が成立したときの価格を意味します。
公示地価の1.1倍~1.2倍が目安です。
不動産売却における机上査定とは?
不動産の売り出し価格を決めるうえで周辺の価格相場は重要な要素ですが、具体的な金額は不動産会社に査定を依頼して調べます。
机上査定とは、簡易査定とも呼ばれる査定方法のことです。
不動産の情報のみで査定額を算出できるのが特徴で、早ければ当日中に結果を得られます。
机上査定による算出方法
机上査定では、近隣にある類似物件の取引相場などを根拠として査定価格を算出します。
土地の形状や建物の間取りなど、不動産情報でわかる範囲のもので算出するので、査定価格はあくまでも目安として捉えると良いでしょう。
ただし、取引事例が豊富な物件であれば机上査定でもある程度の精度が期待できます。
机上査定がおすすめのケース
机上査定は現地調査をおこなわないので、査定時の立ち会いも不要です。
そのため、遠方にある不動産の査定価格を調べたいときにおすすめです。
机上査定である程度の価格を把握したうえで、より精度の高い価格を調べるため訪問査定を利用すると良いでしょう。
不動産売却における訪問査定とは?
訪問査定とは、机上査定による結果にくわえて現地調査もおこなう査定方法のことです。
データには反映されない情報(建物の状態や日当たり、周辺環境など)も加味されるので、より精度の高い査定結果を得られます。
一戸建てなら、敷地内だけでなく周辺の道路状況なども査定の対象です。
マンションでは、共用部分なども査定対象に含まれます。
訪問査定前にやっておくべきこと
訪問査定は現地調査をともなうので、以下の準備をしておくことをおすすめします。
必要書類の準備
以下の書類を用意しておくと精度の高い査定が期待できます。
●建物の仕様がわかるもの(購入時のパンフレットや設計図、リフォーム図など)
●周辺環境がわかるもの(鳥瞰図など)
●購入時の売買契約書
●管理組合に関する書類(マンションの場合)
不動産会社により必要な書類は異なるので、査定依頼の際に確認しましょう。
室内の清掃
訪問査定では不具合の有無なども調査するので、室内を清掃し少しでも良い状態にしておきましょう。
住みながらの不動産売却では、室内に家財道具がある状態での査定となります。
荷物が多いと査定の精度も落ちるので、不用品は処分したり外部のトランクルームに預けたりするのもおすすめです。
また、訪問査定時だけでなく購入希望者による内覧の際にも室内の清掃は欠かせません。
不具合のチェック
把握済みの不具合がある場合には、不動産会社にもすべて共有しておくことが大切です。
不具合があると査定結果が悪くなってしまうのではと心配な方もいることでしょう。
しかし、不動産売却では物件になんらかの不具合があれば買主へ告知する義務があります。
不具合を把握していたにも関わらず告知を怠れば、損害賠償を請求されたり、売買契約が無効になったりするので注意が必要です。
修繕すべき不具合があるときには、対応方法も含めて不動産会社に相談すると良いでしょう。
不動産会社に伝えるべきこと
訪問査定にあたり、不動産そのものの情報以外にも伝えるべきことがあります。
まず、売却の目的によって適切な売り出し価格は変化します。
なるべく早く不動産売却したいのか、あるいは、多少時間がかかったとしても高く売却したいのかでも、売却活動の方針は変わるためです。
また、近隣トラブルなどネガティブな情報についても、把握している事柄は隠さずに伝えましょう。
ささいなことでも気になる買主は少なくないので、可能な限り詳細な情報を不動産会社と共有しておけばミスマッチを防げます。
まとめ
不動産を売却するときに知っておきたい、価格相場の調べ方や査定の種類について解説しました。
基本的には、精度の高い結果が得られる訪問査定を利用するのがおすすめです。
さらに自分でも価格相場を把握しておけば、仲介を依頼する不動産会社を決めるときにも役立ちます。
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